カリフォルニア研修レポート LMT LAB DAY West 2010 & UCLA

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ACL-Times vol.19

カリフォルニア研修レポート

reporter:増山崇俊 補綴課課長

2010年5月7日〜11日にかけて、アメリカ合衆国カリフォルニア州へ研修へ行ってきました。今回のACL-timesはそのレポートとなります。研修の主要な目的は、8日に開催される「LMT LAB DAY WEST 2010」の見学と、UCLA大学歯学部のImplant科や、School of Dentistry の視察です。ACL本社からは宗村社長、営業部の宗村政明氏と私の増山が向かい、ハワイ支社より、梶田マネージャーと葛田氏が駆けつけ、計5人での行動となりました。

【左上】(中央)UCLA歯学部准教授の小川隆弘先生 (右)UCLA School of Dentistryの講師、遠藤淳吾先生 (左)弊社代表、宗村裕之
【左下】マイケル・ジャクソン氏が緊急搬送された病院
【右】UCLAの中庭にある有名なROYCE HALL前にて。左から:葛田(ACL-Hawaii)、宗村政明、宗村裕之(代表取締役社長)、増山(補綴課課長)、梶田(ACL-Hawaiiマネージャー)

LMT LAB DAY West 2010

ハイアットリージェンシーオレンジカウンティのホテル内で行われた

1:ラピットプロトタイピングで作られたもの 2:CAD/CAMデザイン 3:WAXサンプル 4:CAD/CAMによるジルコニアとPMMAのパターン

カリフォルニア州オレンジカウンティのアナハイムで行われた今回のLAB DAYで注目を集めたのは、日本国内の状況と同じく、めざましい発展を遂げるCAD/CAMや、プレスタイプのジルコニアなどです。

レーザーでスキャニングし、3Dデータ化するといった機能は、もう当たり前の事として、その先の作業となる「画面上での操作感」に各システムの違いが出てくるようです。モニター上に映されている3D模型に、画面に触れずに操作するペン型の3次元マウスで、WAX操作のように床の厚みを薄くしたり、盛り足したり、フィニシングラインのエッジを立て、歪ませたりを自由にデザインするなど…ブースではこれらの作業をスピーディにこなして見せ、操作感の素晴らしさをアピールしていました。

CAD/CAMといえばブロック形状の物を削りだし成型する方法がありますが、それとは別の方法で、積層法と呼ばれるシステムもありました。石膏のようなパウダーに糊状の液体を、プリンター機と同じ様に一層ずつ吹きかけ固めるといったものです。歯科サイドから見たこのシステムの使用目的といえば、患者へセカンドオピニオン用にするか、Implant埋入の際の高額のスタディモデルといったものに使用するなど、費用対効果も疑問を感じられますが、石膏では無くWAXを積層させる現実的なシステムもあります。適合精度や費用対効果を除いて考えれば、技工サイドにより近いシステムなどもあります。

ジルコニアを成型するシステムと言えば、削り出しタイプ、焼結タイプ、プレスタイプなど、様々な手法があります。今回着目したのはプレスタイプ。デザインの自由度と優れたパフォーマンス性で注目されるプレスタイプですが、唯一の不安要素が「強度」でした。ですが様々な改良などを重ね、強度も段違いに向上し、実用性の高いシステムとなっていました。

ブース以外に、講演の方も充実していました。UCLAのSchool of Dentistryの先生でもあり、Implant技工のマスターセラミストでご活躍中の遠藤淳吾氏、陶材の多層築盛により自然感を出すテクニック、インターナルステイン、Bone anchored bridgeケースなどに必要な歯肉形態を、新しい歯肉陶材を使った色彩や形態の回復など、UCLAでの進んだテクニックを紹介していました。また、片岡先生の芸術とも呼べるような光と影で表現された石膏カービングがスクリーンに映し出された時は、その場にいた人達から僅かに感嘆の声が漏れていました。国や文化が違っても、技工をする上ではみんな向かっている方向は同じだと思いました。

遠藤先生には、11日のUCLA大学の構内案内をして頂く事にもなっており、顔合わせの意味も込めてその夜に先生の住んでいるトーランスの日本料理のお店で食事会となりました。日本とアメリカの歯科事情や、UCLA とUSCの関係、全米で一番大きい歯科技工所のグライドウェルの話、著名な先生たちのお話、遠藤先生の技工学校時代から現在に至るまでの話など、面白く興味深い話が色々聞けました。

University of California

UCLA DENTAL CENTERの歯科技工学科にて

11日、遠藤先生よりUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を案内して頂きました。

UCLA DENTAL CENTERの中にあるImplant歯科学科の部屋、THE JANE & JERRY Weintraub Centerと呼ばれる歯科医院、遠藤先生のホームグラウンドでもある、歯科技工学科などがメインでした。見学中、様々な先生とご挨拶する事もできました。岡部先生やEd先生、そして昨年のAIAI年次学術大会でも講演していただいた、UCLA歯学部准教授の小川隆弘先生、お忙しい中これからの歯科界のImplantの方向性について熱く語って頂けました。

歯科技工学科では6〜7人の生徒がいて、一様に作業中でしたが我々を快く迎えてくれました。彼らは仕事の合間に行うWAXカービングの時間を計り、如何に早く丁寧にモデルの特徴を捉えるべきかトレーニングも続けているようです。素晴らしい出来栄えもさる事ながら、これらの向上意欲には大変驚かされました。

その他にも、UCLAならではの施設もご案内して頂きました。一般の患者さんを実際に受け入れる歯科医院、マイケル・ジャクソン氏が緊急搬送された附属病院、UCLA専用の警備施設、中庭にある有名なROYCE HALL、UCLA専門ショップなど――世界に名だたる有名大学を限られた時間の中でこれでもかと言うくらい見せて頂きました。

まとめ

このLMT LAB DAY とUCLAでの二日間は、自分にとって大変な刺激となりました。どの仕事も同じですが、自分の技術について疑問を持つ事は多々あるかと思います。今回このような体験をさせていただいたことで、少しでも自分の求める技術への方向性を再確認する事が出来たと思います。日進月歩で新しい技術や機材が生まれていますが、それらを扱うのは人間です。私たちに必要な事は「経験」であると改めて感じました。また、地道な努力と研究を怠らずに邁進する事によって初めて最新の技術を活用していけるように思います。

以上、本当にあっという間の研修でしたが、これらの経験は仕事や生活にも大いに活かす事が出来るでしょう。これをご覧の先生達の為、そして地域の患者さんの為に絶え間なく努力を重ねる事の必要性を改めて感じ入りました。最後になりますが、留守をしていた間に頑張ってくれた会社の皆様、そしてこの様な研修の機会を与えてくださった皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。

補綴課課長 増山崇俊