社内研修会 三善先生、浅野先生、瓜坂先生を迎えて ACLサミット開催
2013年4月6日 弊社技工士の技術的な成長を目的とした「ACLサミット」を弊社社内にて初開催致しました。
第一回目の今回は、歯科技工士界でも名を馳せる著名な先生方、三善由高先生、浅野正司先生、瓜坂達也先生の3名の方々にご来社頂き、浅野先生の「色調再現」をテーマにした講演、瓜坂先生のデモンストレーション、最後に3名の先生方によるディスカッションと質疑応答を行って頂きました。大変貴重な、夢の様な講演に弊社技工士も数日前から色めき立ち、当日を楽しみにしておりました。正に貴重な講演、一言も聞きもらさじと食い入る様に拝聴させていただきました。下記に弊社技工士達の感想を記載させて頂きます。
■大変勉強になりました。浅野先生の講演は実際の臨床ケースを使ったシェードの見方についてであり、今まで自分がしてきたやり方が未熟だった事に気付かされました。瓜坂先生の築盛デモについても、MBのオペーク処理から、オペーシャスデンチンを使って骨格を作ってからのボディー築盛、多色を使ってのエナメルの築盛、そこでの透明感の出し方や歯頸部での透明感の処理の仕方、白帯の作り方、インサイザルヘイローの作り方など、色々勉強になりました。最後のディスカッションについても、ホワイトニングシェードについて色の出し方工夫、フルジルコニアやe.maxステイニングの考え方など聞くことができ良かったと思います。
■浅野先生のレクチャーは色についてだったが、自分自身、色のトラブルがあった時にどういう対処をしていけば良いのか、いつも悩んでいたので、大変参考になった
・光源の種類(太陽光、蛍光灯、LEDなど)によっても見え方が異なる。
・光の進入角度、拡散の仕方によっても見え方が異なる。
この事をふまえて、シェードテイク時の写真撮影では写す角度、光源に気をつかっていく事が正確な色調再現につながってトラブルを回避できる事がわかった。
瓜坂先生のレクチャーはMBの築盛だった。あらかじめボディ築盛前に上下的な収縮の軽減とフレームの切縁付近の透過をふせぐためにコア形態をつくっておく方法で、浅野塾でも実践されている。マメロンの築盛はセカンドカットバック法で舌側のキャンパス作りからはじまり、透明感の違いによって使う陶材の種類と厚みを変えていくもので大阪セラミックでも実践されている。浅野塾と大阪セラミックの技法をマッチングさせた、とても参考になるデモであった。
■貴重な講演を体感するような気持ちで聞き入りました。浅野先生の講演では、日ごろの技工作業における材料の特性などを良く理解しておくことが重要であり、合格点を外さないテクニックを身につける必要があると言うことでした。
瓜坂先生はシェードの選択をするのにモノクロの状態で明度をまず合っているものを選ぶと色を外す事がなくなるというものでした。また、PFMのデモンストレーションでは、MPを使用した単独歯における両隣接や反対側の歯冠色にどんな色が入っているのか、そして、それがどの陶材を使用し、どの配分で混ぜて使い、どこに置いていけば良いのかをとても深く考えた内容で、私たちに伝えてくれました。最後の質疑応答ではとてもフランクに答えてくださり、大変勉強になりました。
■三善先生、浅野先生、瓜坂先生と3人の著名な方々の話を自分が働いている会社で聞けるなんてすごいなと思いました。まず浅野先生には色の話をして頂きました。色調の邪魔をするのは透明色である、毎回同じ水分コントロールで築盛し、焼成した時にどれくらいの収縮になるかを知っておく。安定した色調を出す訓練をして、クリアランスの問題があっても同じ色で築盛できるように、などの話をして頂きました。
そのあとは瓜坂先生の築盛を見せて頂きました。オペークは平筆で塗る、筆はMB、ZRを分ける、などのデモから始まり、歯頸部は変色している時と、そうでない時の築盛のやり方、歯牙の色ぬけが強い・普通・ぬけがない時の築盛のやり方、マメロン、白帯の築盛などを見せて頂きました。
これらの見た物、聞いた事を日々、自分がやった仕事で出せればいいなと思いました。
■浅野先生のシェードテイキングの実際と色調についてのお話を聞き、色の考え方として、色相、彩度、明度の説明があり、パソコンを使用しての天然歯のシェード確認と陶材の選択の方法は大変参考になった。
瓜坂先生の築盛デモはチョークを使用した分かりやすい陶材築盛であり、目の前でカットバックや色々なテクニックを披露して頂き、大変参考になった。天然歯形態やカットバック形態といった基本が大事だと感じた。このセミナーで学んだ事を踏まえ技術を身につけ活かしたい。
■瓜坂先生のデモでは、陶材のレシピを詳しく説明して下さり、筆の動かし方から切縁付近の透明感の表現の仕方など細かな所まで、時には笑いを交えながら教えて下さった。瓜坂先生のハンマーは使いこんで変形しており、それが膨大な数の経験を語っている様に思え、技術を身に付けるには練習と経験を積み重ねるしかないと感じました。日々、新しい材料・技法が確立されるなか、時代に取り残される事のない様、勉強し続けなければならないと強く感じました。